皆さんこんにちは、
エモーション代表の橋本です。
最近わたくし、クラシック音楽、特にマーラーが自分の中でリバイバルヒットしております。
わたくしこう見えて、幼少期よりクラシック音楽のファンであります。一時期フルートなどを習っていたこともありました。10代後半から若気の至りで一時期ヘビメタに走るもその後改心。現在ヘビメタはバンド活動だけに留め(改心しとらんやないかい!)、ロック、ジャズ、クラシックのみならず、これと思ったジャンル、音源は、一度目を付けたが最後、”すっぽんのように食いつき蛇のように執念深い”性格をもって地の果てまで探しぬくという行為を後悔することなく40年以上続け、その結果購入したCDは2万枚以上、アナログレコードは5千枚以上、ハイレゾDLに至っては6TBが満杯と言う狂気の散財っぷり。それでもこの散財に気づかずにいてくれる嫁に、この音源廃人は頭が上がりません。出来れば一生気付きませんように。
マーラーを最初に聴き込んだのは27歳から30歳のころでした。その後しばらく遠のいていましたが、最近何故か急に聴きたくなり、前回以上にドはまりしております。故に、自分史的リバイバルヒットなのであります。
マーラーの音楽、特に交響曲に関しては、2番、5番、6番、8番が好みです。このところ悪化しつつある没頭癖のため、常に耳にしていなければ気が済まない状態に陥っております。
クラシック音楽とカーオーディオの関係については、いずれまた、ブログでご紹介したいと思っております。
と言うわけで、今回はクラシック音楽の話ではなく、DSPの新ブランド、ADONN(アドン)を車に実装しテスト、試聴したご報告です。
ADONN Z600DSP
DSPはこのところ中華系の進捗が著しく、またそのペースは急速です。元来DSPを車載すると言う発想を始めたのが日本であったにもかかわらず、今やDSPブランドの中心がヨーロッパや中国へ移行してしまった現実に、やや寂しい感覚を抱いておりました。
ADONNは日本で企画され、中国のメーカーで設計製造されるDSPです。
今や工業製品で、一国でコンプリート出来るものなどなく、様々な国で作られた部品で構成されています。素材からパーツに至るまで、はたまた部位ごとに生産国が異なっている場合などもあります。
それぞれの部位は、それを作るのが得意な業者(国)に任せる。
今はこのような時代なのですね。
であれば、企画は日本で行い、それを中国で作るという形はありなのだろうと思います。ましてやその方が値段もより安くできるでしょう。そう、このADONN Z600DSPは安いのです。カタログ価格税込み¥55,000です。
ADONNには、別売で車種別専用ハーネスが存在しています。
現在、トヨタ用、マツダ用、ホンダ用、スバル用などですが、今後更に増えることが予想されます。
専用ハーネスで接続すると、インストールがより簡単になります。無論、アンプ内蔵のDSPですので、電源はバッ直(バッテリーから直接配線)した方が良いのでしょうが、安さが魅力の一つであるDSPアンプ、ADONN Z600DSPを装着するに於いては、バッ直をしてインストール費用が上るよりも、バッ直しない手軽な取り付けでどのくらいの音質になるのかを検証する必要があります。と言うわけで、バッ直しない方法で車に取り付け、試聴を行いました。
装着する車は、少し前に代車用として買ってきた中古のダイハツムーヴ
ダイハツ車の純正スピーカーは機器の評価には適さないので、エモーションに転がっていたパイオニアの中古スピーカーを装着、ただしドア防振やスピーカーケーブルの交換などの高音質加工は一切行いません。
想定されうるユーザー様のご要望になるだけ接近させます。
ただしスピーカーシステムはマルチ(アクティブ)で行います。これは調整機能の精度を確認する意味も含めているからです。
音楽再生ソースは、車の購入時からついていたケンウッドのナビで行います。DSPダイレクト入力のBluetoothは用いません。
ADONNのDSPアンプ、Z600DSPはグローブボックスの裏に装着しました。
装着後、DSPの調整を行い。試聴を行いました。
~~~~音の感想~~~~
・出音は少し驚き、この手の小型DSPアンプとしては異色の出来栄え。マーラーも聴ける!
これには少し驚きました。と言いますのも、一般的に小型で、基本バッ直を行わないでも済むDSPアンプは、パワーアンプ部の力が弱く、出音のスケール感に乏しいという特徴があります。Z600DSPに内蔵しているパワーアンプは、25W×4チャンネルのAB級アンプで、ヨーロッパのDSPアンプに多い小型D級アンプではありません。中国ブランドのDSP、GOLD HORNなどもAB級のアンプを内蔵していることから、日本の企画とは言え中国の工場で作っているADONNがAB級アンプであるというのも、何らかの事情や得意分野の違いなどから来ているものなのかもしれません。
通常、小型化すればD級アンプの方が有利となるのは一般的に知られている事です。しかしAB級アンプで、しかも25W×4チャンネルと言う小出力で、更にはバッ直もしていない状態で、ナビやDINサイズデッキの内臓アンプとは完全に一線を画すスケール感を感じられるなど、正直驚きでした。マーラーの交響曲も楽しめます。
専用ハーネスだけでワイヤリングするタイプのDSPとしては、正直これまで聞いた中では多分一番じゃないかと思えますね。
・音質の特徴
定位の輪郭がくっきりしています。音のつぶ立ちが良く、リズム感が明瞭でノリの良さを感じます。ステージ感はこのクラスのDSPアンプとしては上々と言えますが、やはりもっと大型のアンプを積んだモデルや、アンプレスDSPにパワーアンプを接続したものと比べると、アンビエントや艶が乏しくなるのは仕方ありません。
しかし小型低価格なDSPアンプにありがちな音のこもり感や、少しボリュームを上げたときにどこかの帯域が破綻し始めたかのように聞こえるようなことも、ほとんどありませんでした。
~~~~DSP調整について~~~~
正直言って、やりにくい点もありました。特にイコライザーやクロスオーバーを調整する際には、左右チャンネルのリンクとリンク解除を頻繁に行うのですが、その作業にひと手間多く必要であり、その頻度から合計すると調整時間がおよそ10分以上の超過となります。また、GOLD HORNの場合もそうですが、イコラーザーのゲインステップを、なにも0.1dBのように極端に小さくする必要はありません。0.5dBステップ程度で十分です。これも時間超過の原因となります。また、細かくしすぎることで、所謂「演算ロス」が増え、音質は劣化しますので、必要のない細かさは却って品質を落とします。
ただしこのADONNと言うブランドは、現場の意見に対し風通しがよく、改良のレスポンスも大変早いという事なので、こういった部分が少しずつ改善していくことは期待できるでしょう。
調整のレスポンスは大変良く、しかも正確な感じに思えます。一部のDSPにありがちな、調整中、どこかをワンクリック動かした際に発生する音の変化が聞き取り辛かったり、入力から実際に音が変化するまでに一瞬タイムラグがあったりなどと言うことは、今回の調整中には全く感じませんでした。
まぁこのような感じで、エモーションとしてはかなり良い評価だと思います。
ADONN Z600DSPは、低価格でお手軽なDSPとしては、今後中心的存在となっていくであろうことは間違いないと思います。
エモーションでも、ADONN Z600DSPを用いて低価格プランをご用意しております。
ご興味をお持ちの方は、お問い合わせください。
TEL 092-939-0789