皆さんこんにちは、エモ親方です。
昨日に引き続き、トヨタ純正ディスプレイオーディオの音質的問題点とその解決方法について語っていきたいと思います。
トヨタディスプレイオーディオ、並びにトヨタ純正標準装備のナビ・オーディオは、
カーオーディオの特有の欠点である左右スピーカーの中心で音を聴取できない問題、
即ち、左右スピーカーの距離差(30㎝~40㎝)により発生する位相差(距離差によって波形がずれる)の問題を、
片方のスピーカーだけ、問題部分をプラスマイナス逆にすることで解決するという方法を採っています。
しかしこれは正攻法ではなくアヴァンギャルドな手法であり、
音楽を良い音で聴く上で大切な要素をたくさん失います。
また、このエフェクトをOFFに出来ないことから、
DSPを装着して良い音にしようとしても、音質向上の限界値は低くなります。
詳しくは昨日のブログをお読みください。
因みに、この片チャンネルだけ逆相にするエフェクトは、ディスプレイオーディオの中で行っておりますので、
スピーカーを交換しても改善しません。念のため。
その解決策として、幾つかの手法を考えました。
今回はそれをご紹介します。
解決法1、アルファード・ヴェルファイアは、ナビを交換する。
現在、標準装備のディスプレイオーディオを高音質高性能な市販ナビに交換する手法が確立されているのは、
30系のアルファードとヴェルファイアだけです。
エモーションでも、この両車種に関しましては市販ナビへの交換を行います。
ご希望される方はエモーションまでお問い合わせください。
他の車種に関しては、今後も市販ナビに交換する方法は無いか探していきます。
ナビの交換に関しまして、市販ナビのメーカーさんに申し上げたいことは、
純正標準装備のナビから市販ナビに交換できるキットをたくさん開発してほしい。
それも一刻も早くです。
多くのユーザー様が困っておられます。
音質のみならず、ナビ機能でもはるかに劣る純正標準装備ナビを、
変えられないから仕方なく使っているというのが現状です。
解決法2、より低い音まで再生できるツイーターを用いる
ここからは少し専門的になります。
あくまで、純正ディスプレイオーディオを音楽再生ユニットとして用いる場合のシステムです。
昨日投降したブログには、トヨタ純正ディスプレイオーディオがどの部分を逆相化しているのかを表したグラフを載せていました。
要するに、ドアに付いているミッドバスの一部帯域のみを逆相化しているところに問題があります。
であれば、ツイーターのクロスポイントを下げて、逆相化している部分をミッドバスだけに押し込めてしまえばよいという事になります。
こうすることで、DSPを用いてツイーターとミッドバスとを個別に調整できるようになります。
システムはこんな感じです。
このシステムのポイントは、
ミッドバスを逆相化されている帯域のみの再生に限定させることです。
こうすることで、ミッドバス帯域内での位相差はかなり少なくなります。
そうしてDSPを用いて調整しますがこれが結構難しく、このシステム独自のノウハウが必要です。
では、広帯域ツイーターにはどのようなものがあるのか紹介していきましょう。
カロッツェリア TS-Z900PRS
カタログ価格¥128,000(税別)
ポイントソース型の同軸スピーカーを用いた3ウエイ構成のスピーカー
高域側ユニットはツイーターではなく、ハイレンジユニットと呼ばれます。
ポイントソース型同軸のメリットは、ツイーターとミッドレンジの間に距離差がなく、
その為、原則的にタイムアライメントは必要ありません。
口径7.3㎝のハイレンジユニットは、かなり低いところまで再生できますので、
ミッドバスの再生帯域を、純正ディスプレイオーディオの逆相帯域だけに限定出来ます。
スピーカーがすでに交換済みの場合は、ツイーターをこのハイレンジユニットに交換することが出来ます。
その為のハイレンジユニットが単品で販売されています。
カロッツェリア TS-HX900PRS
カタログ価格¥78,000(税別)
今ついているツイーターを、TS-HX900PRSに交換するだけでOKです。
エモーションにて実証したところ、多くのスピーカーと組み合わせに於いて、違和感のない繋がりが確認できています。
純正スピーカーでも大丈夫です。
CDT AUDIO(シー・ディー・ティー オーディオ)Unity6.0P
カタログ価格¥48,000(税別)
米国CDTオーディオの広帯域ツイーターです。
こちらは口径が5㎝ですので、実際に見比べるとTS-Z900PRSのハイレンジユニットよりも随分小さく見えます。
しかしカタログ上では250Hzから再生可能とのこと。
であれば、トヨタディスプレイオーディオで片チャンネル逆相となっている1kHz付近まで十分に再生できます。
逆にそれ以下にクロスを落とすとツイーターにまで逆相が入って来ますのでお勧めしません。
価格も手ごろで、純正スピーカーと組み合わせても大丈夫ですので、
ご予算を気にされる方はこれを選ばれるとよいと思います。
CDTオーディオには、このタイプの広帯域ツイーターが他にも数種あります。
Unity6.0Pはその中で最も低価格なもの。
エモーションでもテストしましたが、この手のユニットにありがちな癖が全くなく、
スムーズで非常に良い音でした。
純正ミッドバスにも、他メーカーのミッドバスにも組み合わせることが出来ます。
ツイーターを広帯域型に変えて、
ミッドバスを片チャンネル逆相となっている帯域だけにしてしまうという方法。
トヨタ純正ディスプレイオーディオを音楽ソースとして用いる限りにおいては、
普通の2ウエイスピーカーを用いるよりも、ずっと良い音に出来ます。
詳細やシステム価格をご希望の方はお問い合わせください。
解決法3、純正で音楽を聴くことをやめ、スマホやタブレット、DAPで音楽を楽しむ。
ナビもタブレットで!
要するに、トヨタ純正ディスプレイオーディオが変なエフェクトを入れているからけないのであって、
音楽再生に純正オーディオをまったく用いず、
DSPに別の音楽プレイヤーから外部入力して音楽を楽しめば、何も問題なく高音質を手に入れることが出来るわけです。
システムはこんな感じになります。
名付けて「純正ガン無視オーディオ」
DSPへの外部入力は、エモーションHPの、
「デジタルプロセッサー、DSPの極意」に詳しく記載されています。
これならどんなスピーカーでも問題なく使えます。
何故なら音楽再生に純正ディスプレイオーディオは用いないからです。
外部入力するならタブレットがお勧めです。
今では、スマホナビの性能はポータブルタイプの市販カーナビとほぼ同等だと思います。
いや、地図精度だけで言えばスマホナビの方が勝っているでしょう。
カーナビが勝てるのは自車位置精度くらいだと思います。
ましてや純正ディスプレイオーディオのナビよりもスマホナビの方が使い勝手が良いと思います。
であれば、スマホよりも画面の大きなタブレットを用い、ナビも音楽再生も全てタブレットで行えば良いわけです。
また、タブレットの通信環境を良くするために、車内をWiFi化する必要があります。
その為にはこれを装着します。
車内WiFiルーター
カロッツェリア DCT-WR100D
カタログ価格¥25,000(税別)
これを搭載し、ドコモインカ―コネクトと契約すれば、
年間12,000円(月額換算1,000円)で上限なしの使い放題。
もちろん、お持ちのスマホもWiFi接続となりますので、
回線使用料の上限もなくなります。
またDCT-WR100Dを搭載している環境ですと、
タブレットでYouTubeなどの映像コンテンツを、ストレスなくスムーズに観ることが出来ます。
DSP外部入力でタブレットを楽しむ、ナビもタブレットを使う。
正に純正ガン無視オーディオです。
エモーションでは、タブレットを純正ディスプレイオーディオの画面前に脱着式で固定する加工も行っております。
詳細、価格等お知りになられたい方はお問い合わせください。
このように、トヨタ純正ディスプレイオーディオの問題点を解決する方法はいくつか考えられます。
この他にも、もっと良い方法を模索し、見つかればまた皆様に紹介させていただきたいと思います。
何れにしましても、性能の良い市販ナビ、市販カーオーディオを存続させ、
ユーザー様の満足度を上げるためには、
やはり市販ナビ・オーディオメーカーさんの力が最も重要です。
純正標準装備ナビから交換する、或はアドオンするような製品の開発を切に願います。
TEL 092-939-0789