

貴方の車に足りない要素
それは
グルーヴ感
エモーションにお越しになられるお客様の中には、ヘヴィメタルをこよなく愛するメタルヘッズがいらっしゃいます。

クリーンに歌う曲から、日本で言う所の「デスボイス」 グロウルやスクリーム等を用いる曲まで、ヘヴィメタルと一言で言っても、サブジャンルが多く存在する音楽です。ヘヴィメタルには、ストレス発散や欲求不満の解消に役立つ効果が認められており、人に言わないだけで、実はメタルが好きな隠れメタラーも多い世の中。

さて実際に、大なり小なりライブ会場へ足を運んだ事がある、または実際にハードロック/メタルバンドやってました。な貴方!イヤホンやヘッドホンでも楽しめるけれど、出来る事なら体で音を感じたいと思いませんか?思っていますよね?
音に乗せて、日常を忘れてモッシュタイム。
終わった後の、楽しかったー!となる、あの感覚。あれは本当に癖になる。
好きな時に、好きな場所で。
いつでもどこでもメタルにどっぷり浸れる所があったら良いなって思いません?
あるんですよ。(小声)
そう!車の中!カーオーディオ!
ライブ会場のみでしか味わうことが出来なかった、腹に来る重低音を感じながら、まるでライブ会場に居るかの様な、あの感覚を自分の車の中で味わう事が出来るのです!

さて、今回は珍しく、しらちゃん筆によるコンテンツ。
僕が考える、カーオーディオでメタルを心地良く楽しむ為のイロハ。
必要なユニットや音響加工、そしてオススメユニットなんかをピックアップ。
独断と偏見盛り沢山の俺得コンテンツ。いつもと違う雰囲気でお楽しみください。

~理想と現実~
楽しい音=ステレオ再生が出来ているカーオーディオでは、フロントガラスから音が飛んできます。
サイドミラー辺りにギターの音圧があり、フロントガラスの中央からスネアとバスドラが撃たれるかのように飛んできます。

具体的には
リズムギター、ベース、ドラム、リードギター。
この様な配置通りに音像が見えます。

ドラムのみで言うと
中心にキック・スネア、左右にシンバル・タム・ハイハットといった形が見えます。
これは、作っているのではなく、音源に含まれる情報を正確に再現しているだけ。
音源製作側の意図を感じる事が出来るオーディオこそ楽しく聴けるオーディオなわけです。
しかしながら純正状態のカーオーディオでは、

この様に、両ドアにベタ~と音が張り付いていますよね。
音量を上げても、ガヤガヤと、ただ煩くなるだけ。
これでは楽しくありません。
~メタルを楽しく聴くための要素~

メタルを楽しく聴くためには、キレと厚みが必要です。
ザクザクと刻むギターリフ、スタスタと刻むドラミング。底を支え腹に来るベース。
ライブで感じるような、体で聴く楽しいオーディオシステムにする為には、これらが必要です。

実際にライブに行った方
ドラムのキック(バスドラム)音、ベース音。腹に来ませんか?
実際にクラブに行った方
ズンチズンチと4つ打ちのリズムを、体で感じながら踊りませんか?
そうです。これは他のジャンルとも共通する部分。
メタルでも、クラブミュージックでも、HIPHOPでも、ジャズでも、
”体で感じる音”があるから、楽しく聴けるわけです。
だがしかし
純正の音にはこれがない。
純正のカーオーディオは、音を出す事が精一杯のチープなアンプで、”コーコーカーカー”と口を手で覆ったような歪みが含まれるチープなスピーカーで構成されている為、楽しい音にはなりません。まずはこの部分から手を入れると良いでしょう。

つまり必要なのは
・スピード感と厚みをしっかりと出るスピーカーとパワーアンプ
・体で音圧を感じる事が出来るサブウーファー
・ステレオ再生を正確に再現できるDSP(デジタルプロセッサー)
1つずつ簡単に解説していきます。


スピーカーユニットは、自身だけでは音を出す事が出来ません。
音源から吸い出した信号を、スピーカーが駆動できる様に信号を増幅させるパワーアンプが必要です。
ナビゲーションの中にも、パワーアンプは入っています。
ナビゲーションから出ているスピーカー端子に接続すれば、音は出ます。
しかし内臓アンプは、スペース、使える電力などの限界により、スピーカーを正確に駆動できる程の力は持ち合わせておらず、スピーカーのポテンシャルを全て引き出す事は不可能です。
特にヘヴィメタルというジャンルにおいて、定位感、スピード感を重要視するとなると、大きさ、電力の制限のない、物量を投入できる外部アンプが理想となります。

ただハイパワーなパワーアンプを持ってくれば良いのかというと、そういうわけでもなく、スピーカーとパワーアンプに存在する相性関係も考えるとよいでしょう。
これにより、より満足度の高いサウンドに仕上がります。
肉とワイン。スモークサーモンとウイスキー。
最高に合うコンビを組み合わせる事で、それぞれの良さを美味しく引き出す事が可能です。
スピードと厚みの両立
これを叶える為には、相性抜群のパワーアンプが必要です。
詳しくはこちら。
ここで組み合わせの一部を紹介します。

Morel Maximus 602 × MTX JH3004
軽快でキレのある、ドライなサウンドでパンパンと鳴るマキシマスに、
抜群の音離れと、抜群の定位感を描き出すJH3004の組み合わせ。
抜群の音離れと、抜群の定位感を描き出すJH3004の組み合わせ。

FOCAL ES165K × Carrozzeria PRS-D800
ハイスピードと、低音の深さを併せ持つES165Kに、
D級ならではの強力な駆動力で、そのポテンシャルを引き出すPRS-D800の組み合わせ。
D級ならではの強力な駆動力で、そのポテンシャルを引き出すPRS-D800の組み合わせ。

Carrozzeria TS-Z1000RS × HELX C FOUR
ハイスピードで高解像度、音源に含まれている情報を正確に描き出す1000RSに、
音楽性をプラスして、濃厚な厚みを与えるC FOURの組み合わせ。
音楽性をプラスして、濃厚な厚みを与えるC FOURの組み合わせ。

タイトで濃厚な中低音と、刺激の少ない高音を持つDynaudioに、
強靭な駆動力でストロークさせ、より厚みのあるサウンドになるT600-4を組み合わせ。
強靭な駆動力でストロークさせ、より厚みのあるサウンドになるT600-4を組み合わせ。

Scanspeak R3004/602000 + Dynaudio MW-162 + T600-4
ツイーターを変更する事で、更に定位感がよりクッキリになり、エッジは立っているけれどマイルドな高音という、絶妙なバランスに仕上がります。
こちらワタクシのマイカーで試行錯誤していて発見した組み合わせ。もう少しだけカッチリとした輪郭が欲しいなぁ。という事で、ツイーターをスキャンスピークのリングラジエーターに変更してみたら見事ハマりました。
Dynaudio MW-162、Scan speak R3004は、それぞれ単品購入も可能なので、必要なものだけ手に入ります。
スキャンとディナの相性の良さは、両メーカーともMade in Denmark という所にもあるのかもしれません。デンマークと言えば、メタル的括りでいう所の北欧メタル。"Swedish death metal"とサブジャンルの1つとして確立しているスウェーデンもお隣の国。そう考えるとメタル×デンマーク製スピーカーが気持ち良く聴ける事は不思議ではないですね。

カーオーディオでは、フロントスピーカーのインストールの出来が聴こえくるサウンドに大きく影響します。ハイエンドクラスのユニットをポン付けした場合と、適した音響加工を施工しインストールしたミドルクラスでは、後者の方が良いと感じる方が殆ど。そのぐらい重要な要素です。ここがしっかりと出来ていないと、他の部分をいくら頑張っても良い音にする事は難しくなります。
フロントスピーカーを正確に動かせる、そして正確に耳に届ける様、最適な音響加工が必要です。
ツイーター取付
ベストアングルマウント or Aピラーワンオフ

カーオーディオでメタルを心地良く、楽しく聴く為には、クッキリとした定位感と音の厚みが必要です。
ミラーの下辺りから、点で飛んでくる、キックとスネア。ドシンと芯のあるボーカル。
そして左右のサイドミラー辺りから聴こえる、ギターのリフ。
腰の据わったベース音に乗せて、曲が進行していく。
所謂グルーヴ感こそがバンドサウンドを心地よく聴く為に必要な部分なので、音場を決めるツイーターは、もっともベストな位置に取付しておきたいところです。
ドア加工
PAC1防振

ドア防振は、最低でもPAC1にしておきたいところです。
ドアスピーカーが動くことで、ドア鉄板の共振音が発生します。その共振音は、スピーカーが発生させた音ではないモノなので、しっかりと止めておかないと、クッキリとした定位感や、奥行き感を出す事が難しくなります。
ドアの内張りも、スピーカーの振動につられて一緒に歌い始めるので厄介です。出来れば止めておきたい。特に軽自動車や、コンパクトカークラスであれば、その現象が顕著です。内張りの共振音も止めておくと良いでしょう。
ライブ会場にいるような音を目指すのであれば、この辺りの音響加工は行っておいた方が良いと思います。

HR/HMを楽しむ為の要素、スピード感と厚み。そしてグルーヴ感。

臨場感と躍動感のあるサウンドに仕上げる為には、パワードサブウーファーではなく、ユニット型をお勧めします。
テンポが速い曲が多いヘヴィメタルで、超高速ドラミングによる連続バスドラムの音圧を体で感じることが出来る様になった時、そりゃもう楽しくてたまりません。
ドン。ドン。ではなく、ドドドドド。
もはや ”ド“では表せず、チチチチチという人間離れした曲も多いジャンルなので、そのスピードに対応できるサブウーファーを選択する必要があるわけです。更にプラスして、腹に来るほどの音の厚みも欲しいなんて思ってるもんだから欲張りです。
しかし、そんな良いとこ取りが出来るの?
スピードと厚みの両方を持つサブウーファーなんてあるの?
出来ますよ。ありますよ。
サブウーファーはエンクロージャー、つまり箱が命。
コイツの出来次第で、貴方の求めるサウンドになるかが決まります。
コイツの出来次第で、貴方の求めるサウンドになるかが決まります。

この様に、容量によって、サブウーファーの鳴りが変化します。
ということは、ですよ。
箱で、狙った音にチューニングすることが出来る。という事。
推奨容量が全てではないわけであります。
と、箱の重要性をお話したところで、
幾つかメタラーにオススメなコスパの高いサブウーファーをご紹介。
幾つかメタラーにオススメなコスパの高いサブウーファーをご紹介。
JL AUDIO 10W1V3-4

サブウーファーの存在感をしっかりと感じるのにも関わらず、どんなフロントスピーカーでも自然に繋がるサブウーファー。キレすぎずユルすぎず、軽すぎず、重すぎず。全てのバランスが高次元。ライブで味わう腹に来るあの低音にかなり近いサウンドを奏でる素晴らしいユニット。しらちゃんイチオシ。
RockfordFosgate P3D2-10

重量のある振動板をダブルボイスコイルの圧倒的な駆動力で動かし、正にヘヴィな低音を表現。組み合わせるエンクロージャーの容量を推奨値より少し小さめに作ることで、音の厚みとスピードの両立が可能。サブを載せるからには迫力を。そんなの存在感のある低音が欲しい方にオススメ。
MTX-T810-44

ダブルボイスコイル、軽量・高剛性のグラスファーバーコーンにより、硬く重い、タイトな低音が特徴。エレクトロニック・ハードコアの様な低音のリズム感を体で感じる、踊りたくなる様な乗れる低音をお望みならばコイツに決まり。
さて、そろそろ行きますか。
皆さんお待ちかね!


ツインサブウーファーとは、文字通り、サブウーファー2発。
腹に来る、ルームミラーが揺れる程の低音を味わう事が可能です。

重低音をでっかくしたいから2発。
ただそれだけの理由ではないのです。
簡単に解説します。
先ほど、サブウーファーを入れるエンクロージャーの話を書きました。

これですね。
これを見ていて、大きな場合の良い点と、小さな場合の良い点、両方欲しいと思った方いるのではないでしょうか。
・ローエンドが伸びている。
・締まり感が良い。
・音質はクリーンでスムーズ。
・繋がりが良くなる。
実はこれ、ツインにすると両取り出来るのです。
図にしてみました。

縦:音圧 横:周波数 です。
大きなエンクロージャーは、低い周波数までしっかりと伸びていてフラットな特性になります。
しかし、締まり感がなく、トロい。もたつく低音はヘヴィメタルでは足を引っ張ります。
小さなエンクロージャーは、低い周波数の伸びは今一つ、肩の部分にピークも発生します。
しかし、締まり感が良くなり、よくキレる。マシンガンのドコドコにも付いてくる。

小さな容量の箱にそれぞれ入れて2発にしました。
この状態であれば、ローエンドが伸びていて、締まり感のある、タイトな低音で、音がでかいサブウーファーになりました。
しかし、小さな容量にしたことで発生したピークはどうにかしないと後に引っ張られます。

イコライザーで、ぶっ叩きましょう。
910系サイバーナビに、サブウーファー独立EQが付いている事が物語っているように、
サブウーファーのピークは、低音が前から飛んでこない。明らかに後ろから聴こえてしまう大きな原因の1つです。
気持ちの良い低音にする為には、適切な音響調整も必要です。

カーオーディオには以下の3つが主な課題。
・左右スピーカーの中心で音楽を聴く事が出来ない。
・ツイーターやミッドバス等、スピーカーユニットの配置がバラバラ
・ガラスなどの、音を反射する素材が多い
デジタルプロセッサーを用いて、これらを正しく補正を行う事により
ルームミラー下辺りに、ボーカルとベース、そしてドラムのキックとスネアが見える様に聴こえます。
ラゲッジ等に設置したサブウーファーの音も、同じく前から聴こえます。
ラゲッジ等に設置したサブウーファーの音も、同じく前から聴こえます。

無意識に体を動かしたくなる躍動感をカーオーディオで味わう為には、音の繋がりが非常に重要です。即ちDSPは、カーオーディオだからこその問題点を解消するためには必須のアイテムといえるでしょう。
詳しくはこちら。
しらちゃんオススメ
DSP内蔵ヘッドユニット
Carrozzeria DEH-P01

2009年に発売されたDEH-P01ですが、今でも現役。ベストセラー。
1DINしか装着できない、またはナビ、モニタは不要。という方にはこちらをどうぞ。
1DINしか装着できない、またはナビ、モニタは不要。という方にはこちらをどうぞ。
フロント3WAY +サブウーファー(4WAY)まで構築が可能なクロスオーバーネットワーク、7.7mmステップタイムアライメント、左右独立の31バンドイコライザーと、カーオーディオを楽しむ為に必要な音響調整機能も網羅しています。
Carrozzeria AVIC-CZ/CL/CQ911,912

どこかに止めて、ライブ映像を見ながら楽しみたい。そんな方には
スピード感と解像度に全力投球した、最新のサイバーナビがベストバイ。
スピード感と解像度に全力投球した、最新のサイバーナビがベストバイ。
ナビゲーション、TV、外部入力の豊富さ、インターネットを用いたオンラインコンテンツそして、最小クラス、3.4㎜のステップを持つタイムアライメントや、フロント 2WAY +サブウーファーが可能なデジタルクロスオーバー、サブウーファーチャンネルが独立した31バンド左右独立イコライザーなど、最高クラスのフルスペック機能を持つ DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)が搭載されています。
プリアウト出力部に高音質なバッファー回路が追加され、ノイズフロアが著しく低減することにより、環境音の多くが含まれる埋もれやすい音も確実に引き出します。
しらちゃんオススメ
外部DSPユニット
HELIX DSP シリーズ

純正ナビを変えることが困難、または今のナビに不満がないといった方にはこちら。
Audiotec Fisher社が誇る、小型、低価格、フロント3way + サブウーファーまで構築が可能な8ch出力。正確で色付けのないAKM製DA/ADコンバーターを搭載し、31ステップの位相調整、0.1dbステップの各部/イコライザーレベルの調整まで触ることが出来る、現在最も細かく音響調整が出来るDSP。
これさえあれば音響調整で解決できる問題点は殆ど補正することが可能です。将来的に、デカい音でも小さい音でも、より歪みなく再生させる為に3wayにする。となった時も対応できます。また、お手持ちのスマートフォンやDAPに音源を入れて、デジタル入力で接続することで、音質を劣化させる部分を減らし、より高音質で再生する事も可能です。
シャープな音像で、撃たれる様なサウンドをお望みであれば、その理想の音を作る為に必要な機能を兼ね備えたHelix DSPはマストバイとも言えるかもしれません。
纏めると
・音離れが良くキレのあるサウンドのスピーカーと、それに合うパワーアンプ
・10インチのサブウーファーが1発(理想は2発)
・細かな音響調整が可能なDSP
これらが必要となります。
より繋がりの良い低音にする為に、サブウーファーをステレオにする事も有効です。
最初の写真の様にラゲッジ床下や、ラゲッジに設置する事が殆どですが
タイムアライメントという点で見ると、右に設置したサブウーファーと左に設置したサブウーファーは、リスナーまでの距離が異なります。
つまりもっとモノラルからステレオにすることで、煮詰める事が出来るというわけです。
より複雑で、より難しい音響調整になり、
ナビゲーション内臓のDSPでは、サブウーファーがモノラル出力であったり、2発分のタイムアライメント項目がなかったりするので、外部DSPが必要となる場合がありますが、
完璧に繫がったステレオサブウーファーで聴く、メタルはヘドバン必死です。至福です。

今回は、メタラー目線でのカーオーディオという題で書いてきました。
文中でちょろっと触れましたが、実は、このシステム
HR/HMに限らず、音に身を乗せるジャンルである、クラブ/ハウスミュージックや、HIPHOPを好まれる方にもお勧めです。
近年の音源は多様化し、ステージを意識した、音の動きでリスナーを楽しませる曲が多いように感じます。カーオーディオは、ステージが見えやすいリスニング環境なので、適切な音響加工が出来ていれば、動きのある曲も最大限楽しむ事が出来ます。

如何だったでしょうか。
私しらちゃんが書いた文章だったので、いつものコンテンツとは違う雰囲気だったかもしれません。
既に公開している
今回書き下ろした
メタラーの為のカーオーディオ。
両方とも言えるであろう共通点。
それは、ちょっとだけ趣味性が高い音楽ジャンルである事。
その趣味性が高い音楽は、カーオーディオだからこそ、気持ち良く、誰にも邪魔されずに楽しめます。
移動中に好きな音楽を聴いてリフレッシュ。移動中が息抜きって良いものです。
さて、今日はバケツリレーでも聴いて帰ろう。
TEL : 092-939-0789