DAPのすゝめ

サムネ

純正オーディオを介さず、
高品位な音源をDSPへ直接入力する。

近年の自動車に搭載されている純正オーディオは、ディスプレイオーディオやビルトインナビが標準装備となり、高音質・高性能なナビやオーディオへ交換することが難しくなっています。

純正オーディオが音楽信号をそのまま出力しているのであれば、後段にDSP(デジタルシグナルプロセッサー)を取り付けることで、車内の音響特性に合わせて音を細かくコントロールすることができます。

しかし、近年の純正オーディオには
ひとつ大きな問題があります。

考える

それは、純正オーディオから出力される音楽信号そのものに、メーカー独自の音響処理が施されているケースが多いことです。

プリセットイコライザーやタイムアライメント、位相補正などがあらかじめ設定されており、ユーザーがそれらを自由に解除できない場合もあります。

つまり、純正オーディオから出力される時点で、すでに音楽信号が加工された状態になっていることがあるのです。

参考コンテンツ:純正オーディオの音を根本的に良くする方法

このような車両では、従来のように純正オーディオの後段へDSPを追加するだけでは、理想的な音楽再生ができる状態に仕上げることが難しい場合があります。

一方でDSPメーカーもこの問題を認識しており、近年ではUSB Audioや光デジタル、同軸デジタルなど、高品質な外部デジタル入力を備えたDSPが増えています。

そこで、この外部入力を活用し、純正オーディオとは別の音源をDSPへ直接入力する方法があります。

そのひとつが、DAP(デジタルオーディオプレイヤー)を音源として使用するやり方です。


〇 DAPと現代のオーディオ環境

DAP

DAPとは、Digital Audio Playerの略称です。バッテリーで動作し、音楽再生に特化したポータブルオーディオプレイヤーを指します。

スマートフォンが「電話もできる小型コンピューター」だとすれば、DAPは「音楽再生を中心に設計されたスマートフォン」とイメージすると分かりやすいでしょう。

DAPが登場した当初は、移動中にイヤホンやヘッドホンで高音質な音楽を楽しむための機器という位置付けが中心でした。しかし現在では、Wi-Fiなどを利用してインターネットへ接続できるDAPも多く、音楽ストリーミングサービスを直接利用できるようになっています。

Qobuz、Apple Music、Spotifyなど、現在ではさまざまな音楽ストリーミングサービスが利用でき、サービスによってはロスレスやハイレゾ音源のストリーミングにも対応しています。

「今流行っている曲を聴いてみる」「90年代のオムニバスを聴いてみる」「ロックの名盤を探してみる」

そんなふうに、そのとき聴きたい音楽を選ぶだけで、高音質な音源をすぐに楽しめる。そんな環境が当たり前になりつつあります。

こうした音楽環境の変化に合わせて、DAPの役割も変わってきました。現在のDAPは、イヤホンやヘッドホンを接続して音楽を聴くだけではありません。

DAPは「音楽を再生する機器」であると同時に、
「高品質な音楽データを外部オーディオ機器へ送り出す機器」です。

USB Audioや同軸デジタル、光デジタルなどのデジタル出力を備え、外部DACやオーディオ機器へデジタル信号を送り出す、いわゆるデジタルトランスポートとして使用できる製品も増えています。

〇 DAPをカーオーディオの音源ソースとして使用する

カーオーディオで音を良くするために用いられるDSPは、純正オーディオを交換できない車両に対して有効なだけではありません。タイムアライメント、クロスオーバー、イコライザー、位相などの高度な調整機能によって、車内という特殊な音響環境の問題を細かく補正することができます。

また、3way+サブウーファーなどのマルチウェイ・マルチチャンネルシステムにも対応できるため、現代のカーオーディオにおいてDSPは非常に重要なデバイスとなっています。

しかし、どれだけ高性能なDSPであっても、DSPはあくまで入力された音楽信号を処理する機器です。車内の音響特性を補正し、破綻のない音源に忠実なステレオ再生ができるカーオーディオへと再構築できますが、入力された音楽信号そのものに含まれていない情報を、本来の音源と同じように復元することはできません。

つまり、どれだけ優れたDSPを使用しても、音源側に限界があれば、最終的な音質にも限界があります。

そこでDAPの登場です。

高品質なデジタル出力を備えたDAPと、高品質なデジタル入力を備えたDSPを組み合わせることで、ストリーミングサービスなどのロスレス・ハイレゾ音源を、デジタル領域のままDSPへ入力することができます。

接続図

このように、純正オーディオを経由しないシンプルな信号経路を構築できます。

純正ナビを使いたい場合や、TVなどを見たい場合に備えて、純正オーディオと外部入力を切り替えるDSPのコントローラーを設置し、手元でコントロールできるようにする形となります。

☆USB Audioとアシンクロナス伝送

DAP2

USB Audioでは、機器間の接続方式としてアシンクロナス(非同期)方式が採用されることがあります。この方式では、USBから受け取ったデータをDSP側のクロックに基づいて処理するため、送信側のクロック精度にそのまま依存するのではなく、受信側であるDSP側のクロックを基準としてデータを処理できるというメリットがあります。

デジタルオーディオでは、データそのものだけでなく、それをどのタイミングで処理するかを決めるクロックも重要な要素です。ハイエンドオーディオの世界では、クロックジェネレーターが単体のオーディオ機器として製品化されるほど、クロックは重要な要素として扱われています。

アシンクロナス方式のUSB Audioでは、受信側の機器がクロックを管理できるため、DAPからDSPまでの距離があるカーオーディオにおいても、合理的なデジタル接続方法のひとつと言えるでしょう。

〇 車載にも便利なFiiOのDAP

現在発売されているFiiOのDAPは、カーオーディオ用途で使い勝手のよいモデルが多く、エモーションでお勧めしています。

その理由は、USB Type-C端子を2系統備えたモデルがあるからです。

例えば、M21やM33 R2R、そしてM27などでは、データ通信と充電に対応したUSB端子に加え、電源供給専用のUSB Type-C端子を備えています。

DAP3

USB Audioで音楽信号を出力しながら、
別のUSB端子から電源を供給できます。

USB端子が1つしかないDAPでは、車載中にUSB Audio出力を行うと、内蔵バッテリーを消費していきます。そのため、長時間使用する場合には、どこかのタイミングで充電する必要があります。

一方、電源供給用の端子を備えたモデルであれば、外部電源から給電しながらUSB Audio出力を行うこともでき、外部電源接続時はバッテリーの利用を最小限に抑える外部電源モードを持つモデルもあるので、車載用途でも使いやすくなっています。

DAP4

さらにFiiOには、車両のUSB電源に連動してDAPを自動的に起動・終了させる「車載モード」を搭載したモデルもあります。車両のエンジン始動に伴ってUSB電源が供給されるとDAPが起動し、エンジン停止によって電源が切れるとDAPも終了するため、車載用の音源として非常に便利です。

Emotional USB Audio Cable ~ えもすびー ~

えもすびー

DAPをデジタル入力するうえで必要となるUSBケーブル。規格さえ合っていれば音楽を再生することはできますが、実際にオーディオ用USBケーブルを使ってみると、「デジタルでも音が変わるのか」と驚かれる方も少なくありません。

せっかく高性能なDAPを選んでも、その信号を後段へ送り出すためのUSBケーブルにこだわらなければ、DAPの性能を十分に活かしきれないこともあります。

そこでおすすめしたいのが、当店オリジナルのUSBケーブル「えもすびー」です。

えもすびーは、できるだけ手に取りやすい価格に抑えながら、音質にも妥協せず、さらに車両ごとのシステムに合わせて必要な長さでワンオフ製作しています。

余分なケーブルを車内に這わせる必要がないよう、DAPからDSPまでの距離に合わせて最短の長さで製作することで、取り回しの良さとシステム全体の完成度にもこだわっています。

発売からご好評いただき多くの方にご使用頂いておりますが、様々なオーディオ用USBケーブルを試された方が最終的にこちらを選ばれることもありますし、「DAPを導入したけれど、せっかくならその性能をしっかり活かしたい」そんな方に、ぜひ一度試していただきたいアイテムです。

参考コンテンツ:ECSオンラインカタログ

〇 DAPは車だけではありません

DAPmusic

DAPの本来の使い方として、音の良いイヤホンやヘッドホンを接続して、自宅でじっくり音楽を楽しむこともできます。もちろん、電車やバスなどの移動中に使用することもできます。

車でも、自宅でも、移動中でも。

1台のDAPを持っていれば、同じ音楽ライブラリやストリーミングサービスを、さまざまな環境で楽しむことができます。カーオーディオ専用の機器というわけではなく、普段の音楽生活そのものを豊かにしてくれるのがDAPの面白いところです。

購入したハイレゾ音源や、これまで集めてきた音源をリッピングしてSDカード等に保存してDAPで再生することも可能ですし、ストリーミングサービスを利用して、最新の音楽や動画を楽しむこともできます。

またDAPをトランスポートとして、ご自宅に設置しているDACへ接続し、高音質な音楽を楽しむこともできます。

なによりDAPは“画面付き再生機”でもありますので、アルバムのジャケットを表示できることも、また音楽好きにはうれしいポイントです。

ポータブルプレイヤーが1つあれば、ホームオーディオでも、カーオーディオでも、そして移動中でも高音質な音楽を身近に楽しむことができます。マルチに使えるDAPは、音楽を愛する人にとって相棒になるのではないでしょうか。

もちろん、FiiO以外のDAPも車載することができます。
dx220max

では、どのDAPを選ぶのか。

カーオーディオでDAPを使用する場合、デジタル出力をメインに考え、使い勝手の良さで選ぶのもひとつの方法です。一方で、イヤホンやヘッドホンを接続して聴いたときの音の良さや、自分の好みに合った音であるかどうかを考慮して選ぶのも、満足度の高いDAPを選ぶためのひとつの方法です。

例えば、「このDAPの暖かい音色が好き」「このDAPは音の見通しが良く、細かな表現まで聴き取りやすい」と感じるのであれば、+αとしてカーオーディオでも活かす。そんな選び方も、DAPをより楽しむための、ひとつの選択肢となります。

選んだDAPをカーオーディオに接続する為の方法は、そのDAPとDSPに合わせて、USB/同軸デジタル/光デジタルと最適な接続方法にてご提案させていただきます。

ご注意: DAPはバッテリーを内蔵した電子機器です。
特に夏場の車内は非常に高温になるため、炎天下の車内へ長時間放置することは避けましょう。

音楽をもっと身近に、そしてもっと高音質に楽しむためのデバイスとして、DAPは非常に魅力的な選択肢です。

カーオーディオでは、「どんなDSPを使うか」だけでなく、「DSPへ何を入力するか」も音質を決める重要なポイントになります。

純正オーディオの制約を受けず、
高品質な音源をDSPへ直接入力する。

その方法のひとつとして、DAPを音源ソースに加えてみてはいかがでしょうか。

FiiOは当店でも取り扱っております。
ご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。

カーオーディオプロショップ EMOTION

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